三浦綾子記念文学館で写真展

ご縁をいただいて旭川の三浦綾子記念文学館で写真展を行うことになりました。期間が長いので、ぜひご覧いただけたらと思います。三浦綾子記念文学館は旭川駅東口を出て、忠別川にかかる氷点橋を渡って真っ直ぐ20分ほど歩くと、針葉樹の森の入り口にあります。私はこの道がけっこう好きで、いつも駅から歩いていきます。外国の針葉樹がたくさん植えられた見本林は氷点の舞台となった所、林内には氷点の文学と自然観察を共に楽しめるように散策路が整備されています。
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# by somamin | 2018-04-06 18:01 | 短歌 写真 | Comments(0)

雪消水

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今日は長靴を履いてフキノトウの撮影にでかけました。雪解け水の流れに入ると、分厚いゴム長靴でもその冷たさが伝わってきます。高い水音を浴びながら、足に当たる水流の力を感じていると、とってもスッキリとした気分になりました。

私が今年初めてフキノトウを見つけたのは3月30日。まずは小さな水盤に活けて、それからフキノトウ味噌を作るのが、毎年欠かさぬお約束です。

実は昨年はこの季節に入院をしていて、この約束が果たせませんでした。だから今年は特別嬉しくて。「トントントン春ですよ」と身の内をノックしてくるような苦味を楽しみました。来年もできますように。


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# by somamin | 2018-04-05 01:11 | 短歌 写真 | Comments(3)

私のキャンサー

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札幌厚生病院の写真展に寄せて

 キャンサー(cancer)とは英語で癌のこと、癌になったからこそ受け取ることができる想いを、「キャンサーギフト」と呼ぶそうです。

 私は肺がんの治療を始めて一年半くらいです。右上葉を切除する手術を受けましたが、その後再発しました。現在は月に1度礼文島から札幌の病院に通院して、抗がん剤を飲みながら暮らしています。

 命に限りがあることを意識する時、より感性がピンと張ってくるのを感じます。それをいつでも受け止めてくれたのが短歌でした。心が大きく揺れてしまった時も、短歌を作ろうと文字を紡いでいるうちに、気持ちが落ち着いてくるのを感じます。古典和歌の時代から千年以上、日本人が愛してきたたった31文字の短い詩形、短歌には不思議な力があると思います。50代半ばで短歌を始めた私ですが、今では生業としてきた写真とどちらが大事かわからないくらい、欠かせないものになりました。

「キャンサーギフト」、それが本当にあるのか、どんなものなのか。私の敬愛する先輩、漫画家の内山安二さんは大腸癌でした。亡くなる少し前に奥様に「宇宙は優しいよ」とおっしゃったそうです。宇宙の優しさを私も感じることができるでしょうか。私がキャンサーからどんなものを受け取ることになるのか、それがこれからのテーマの一つになりました。

2018.3.16 杣田美野里


以上のコラムを写真展会場にパネルにして展示しました。ご覧いただいた方々と命への想いを共有できることを願っています。

(写真は越冬したハマナスの実。礼文島元地海岸)



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# by somamin | 2018-03-17 18:00 | 短歌 写真 | Comments(2)

札幌厚生病院の写真展 始まりました

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ポスターデザインは蒲原裕美子さんです。昨日、無事に搬入しました。

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# by somamin | 2018-03-17 13:38 | 短歌 写真 | Comments(0)

ヤチブキ咲いたら

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「光の春」という言葉をこの季節になると使いたくなります。本州で春一番が吹いたというニュースが流れるころ、まだ島中が雪に包まれていても光に春を感じる日がやってきます。等圧線を十二単衣のように着込んだ大きな低気圧がやって来て、一昨日と昨日はすごい吹雪でした。今日は嵐の後の晴天で、降ったばかりの分厚い積雪が、陽光を跳ね返して眩しかったです。 

 私が「光の春」という言葉にいつ出会ったのか、よく覚えていませんが、もう自分の中ではとっくに慣用句となっていました。俳句の季語かなと思ったのですが、違うようです。語源はロシア語で気象予報士の倉嶋厚氏が翻訳して使ったものが広まったようです。私もお天気キャスターの言葉から知ったのかもしれません。意外に日本では新しい言葉でした。

 島に移り住むまで「光の春」を意識することはありませんでした。関東平野では冬でも毎日惜しみなく陽光が降り注ぎ、いつから春の光なのか区別がつきません。雪国では毎日重い雲に覆われた日が続きますが、立春を過ぎたころから、ときどき太陽が顔を出すようになります。その光が力を増していることに気がつくと、何か心がザワザワとしてきます。そういえば今日、島でウミネコを11羽確認したと夫が言っていました。今年初めてで、嵐を追うように越冬地から北上して来たのでしょう。今ごろ雪の下では、まだ固いフキノトウの芽も春を感じているかもしれません。



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# by somamin | 2018-03-04 00:44 | 短歌 写真 | Comments(1)

「礼文短歌 蕊」刊行記念写真展

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札幌紀伊國屋書店の写真展のポスターができました。デザインは「蕊」のブックデザインを担当してくださった江畑菜惠さんです。

ポスターのレブンコザクラの写真は「蕊」には入っていませんが、会場では展示いたします。本とは違った写真と短歌の組み合わせもお目にかけたいと思っていますので、お楽しみいただけたら幸いです。杣田は期間中毎日14時から18時まで会場におります。

それから旭川の三浦綾子記念文学館での展示が414日(土)から7月22日(日)に決まりました。文学館の展示と唱和するよう工夫したいと思っています。また近くなりましたら、ご案内いたします。


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# by somamin | 2018-02-02 10:24 | 短歌 写真 | Comments(2)

野の花の鞄

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 私の新刊「礼文短歌 蕊」からのこぼれ話を一つ。このお花畑の母子は平成4年6月、まだ礼文島に移り住んで1ヶ月たらずの私と娘です。あれから25年、娘は社会人となり、私は62歳になりました。変わったのは母娘だけではなく、背景の高山植物の花風景も変わりました。立っているのは桃岩歩道、礼文島でもっとも人気のあるコースです。でも当時は歩道に柵もロープも階段もなく、人がかよったところが自然に道になった、獣道のようなものでした。道は細く花々は道の両脇に溢れるように咲き、行き交う人もまばらでした。

 現在の桃岩歩道は花のシーズンには多くの観光客が散策してにぎやかです。利用者が増加したので、歩道周辺の植生の保全と歩行者の安全のために木の柵や階段などが整備されています。花たちの咲き方も温暖化していることもあり、少しずつ変化しています。

 でも改めてこの写真を見て、「こんなに違うのだ」と実感しました。何気ないスナップにも島の変化がしっかり写り込んでいました。そしてこの写真を撮影したのは、2年前に亡くなった私の母、杣田きよ子です。彼女は私たちを案じて暮らしぶりを見に来たのだと思います。この写真になにか切ないものを感じるのは、北の離島に根を下ろしたばかりの娘と孫に向けられた、亡母の眼差しのせいかもしれません。フィルムは残っていなくて、Lサイズのプリントからスキャンしました。この写真を「礼文短歌 蕊」33ページに移り住んだ頃のエッセイと共に掲載しました。ここでは本に書ききれなかったことを、少し書かせていただきました。



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# by somamin | 2018-01-24 11:54 | 短歌 写真 | Comments(1)

「蕊」出ました

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 私の新刊、写真短歌集が北海道新聞社より1月15日発売になりました。礼文短歌「蕊」と申します。植物の雄しべ雌しべの蕊(しべ)です。ずっと出したかった本なので、世に出すことにいつになく緊張しています。ポストカードサイズの手に馴染む装幀、デザインは江畑菜恵さんです。三浦綾子記念文学館館長で歌人の田中綾さんに解説をお願いしました。出版記念の写真展を札幌と旭川で計画しています。また追ってご連絡いたします。
 書店や通販でご購入いただけますが、サイン入りをご希望の方は杣田のメールアドレスsomami@crux.ocn.ne.jpまで、送付先のご住所とお名前、電話番号、冊数をお知らせください。税込1620円、送料無料でお送りします。お支払いは郵便振替用紙を同封いたしますので、受け取り後お願いいたします。恐縮ですが支払い手数料はお客様の負担でお願いいたします。なお発送までには少々お時間をいただきますことをご了承ください。
 多くの方に愛される本になることを願って作りました。よろしくお願いいたします。





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# by somamin | 2018-01-15 23:49 | 短歌 写真 | Comments(0)

粉雪キュッキュ


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明けましておめでとうございます。

昨年はいろんな事があり、4~5年分生きたような気がする一年でした。

さて、今年はといえば

なんだか風向きが変わったような気がして、良い風が吹きそうな気がします。

この予感、当たりますように。


北の島に住んで、雪との付き合いも長くなりました。

今年は11月から根雪になり、雪の多い冬になっています。

しばれる日の雪は長靴で踏むとキュッキュッと鳴ります。

この音がなんともピュアで、寒い日の散歩も悪くはありません。


みなさまにとって、今年が幸い多い年でありますようにとお祈りしています。



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# by somamin | 2018-01-01 15:46 | 短歌 写真 | Comments(0)

奇跡のスープ

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  3回目の入院の時、向かいのベッドのTさんは私より少し年上、細身で長身、とてもお話上手でいつも笑わせてくれました。セーラー服のスカートをひきずるように長くして、薄くつぶした学生鞄を下げていた高校時代の話。教室の机の上に乗り、ラジカセに合わせてツイストを踊っていたそうです。

 彼女によく似たモデル体型の娘さんは3日に一度くらい、見舞いにやってきます。長い髪をシルバーに染めて、ミニスカートやショートパンツから伸びるすらりと長い足。アイメイクも鮮やかにギャルがそのまま大人になった感じですが、一児の母です。

 しかしそのファッショナブルな外見からは想像できないような家庭的な一面が私を引き付けました。それは彼女が必ず携えてくる、ポットに入れた野菜スープです。好き嫌いの多い母のため、がんに効くと言われる野菜やハーブなどをネットで取り寄せ、手作りしているそうです。Tさんと主治医は彼女に合う抗がん剤を探して、いろいろ試していました。副作用のきつい薬もあり、食欲が落ちていました。病院食も残しがちでしたが、このスープだけは顔をしかめながらもがんばって飲んでいました。

 友人が私の体を心配して、抗酸化作用の高いと言われる人参を送ってくれました。茹でて食べたら、人参なのにホクホクした美味しさがりました。1日1本食べ続けたらがんが消えたという話もあるそうです。でも1日1本はなかなか食べられない、それにそんなに体のことばかり考えてはいられない、なんて大量の人参を前に思ったこともありました。

 でもよいレシピを見つけました。玉ねぎと人参を一口大に切ってバターで炒めてから、水とコンソメスープの素、お米を少し入れて、圧力鍋で5分煮ます。ミキサーにかけ、鍋に戻して塩で味を整えて、一煮立ちさせたらでき上がり。お米からほどよくとろみが出て、人参くささもあまり感じず、体にすっと入ってくる味です。これだったら夫も好んで飲んでくれるので、人参はいくらあっても足りないくらいです。

 美しいオレンジ色のスープを見ていると、これを飲んでいれば、本当に奇跡が起きるのではないかと思います。自分で作るようになって、Tさんの娘さんがスープに込めていた祈りのような願いに、今更ながらに心を打たれる思いがしました。あれから半年、Tさん母娘は今頃どうしているでしょう。


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# by somamin | 2017-10-28 11:52 | 短歌 写真 | Comments(1)