愛でて暮らさむ

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写真はオオバナノエンレイソウ、5月の末ごろに咲く花です。この花の白い花弁は清潔感があって制服姿のナースのようだと、いつも思います。入院している病院には決まったナース服はなくて、思い思いの自分で選んだナース服を着ています。チロルテープをあしらったもの、切り替えで一部紺や緑のラインが入ったものなど。髪飾り、ストラップ、名札周りのマスコットなど、一人一人控えめではありますが、自分らしさを表現しています。それらを眺めながら私はこの人はどんな性格なんだろう、私服はどんななんだろうと想像したりします。夜勤明けの朝の看護師さんは化粧が控えめで髪型もシンプル、素のままのご本人が垣間見えたりします。

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# by somamin | 2017-03-16 14:34 | 短歌 写真 | Comments(0)

春の月

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窓側のベッドに移ったその日、窓に大きな月が登ってきました。都会の空なのに意外なほどクリアーな光を放つ月でした。満月のように見えますが、ほんの少し左側の欠けた14夜の月でした。「次の日から欠ける満月より、14番目の月が一番好き」という松任谷由実さんの歌詞を思い出します。サワサワと銀の光を浴びて、元気をいただくといたしましょう。

写真は利尻島から登る月。実は秋の写真です。秋の月光は怖いくらい鋭くて、今の私には春の月光の優しさが嬉しいです。


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# by somamin | 2017-03-13 10:27 | Comments(2)

澄まし顔のガン病棟のカツラたち我日常の風景となる

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最初に抗がん剤打ってから9日たちましたが、まだ私の髪は厚くあります。2週間から3週間で抜け始めると聞きますが、人生初めての体験はどんなものなのでしょうか。治療中の女性たちはケア帽子やウィックの話しに余念がありません。私も院内美容室で試着してみたりしました。きっと夫に言ったら手拭いでもかぶっとけと言われるのかなと思いながら、この際だから今までにやったことない髪形に挑戦しようかなんて思ってます。
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# by somamin | 2017-03-09 16:36 | 短歌 写真 | Comments(8)

旅立ちの若き病友眩くて再会なきことそれが幸い

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調子の良い日は朝、院内をウォーキングしています。いつしか仲間もできて、その中の一人に30代の女性がいました。40日におのぶ放射線治療が終わり、3月3日のひな祭りの日に退院して行きました。この日のためにあつらえた真新しいウィックを付けた姿を見せに来てくれました。弾ける笑顔、命が光を放っているようで、とつても眩しかった。幸多き人生でありますように。
写真は春の日差しにほどけ始めたエゾニワトコの冬芽。

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# by somamin | 2017-03-07 10:02 | 短歌 写真 | Comments(1)

雛の目閑か

病棟の雛の目しずか せめぎ合う命見つめてまた春一つ
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病院内には各所に雛人形が飾られています。閉じ込められた人たちに季節を感じでもらおうという配慮だと思います。そういえは我が家の雛はまだ箱の中。飾る余裕もなく入院してしまいました。娘は社会人となり、私が病気をしてからは、保護者のような目で母を見るようになりました。私には子育ての記憶も合わせて愛おしい雛人形ですが、夫や娘にはそれほどの存在感はないようです。今ごろ押入れの中で今年の出番のないことを憂いていることでしょう。

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# by somamin | 2017-03-02 17:15 | 短歌 写真 | Comments(2)

外はもう光の春

片道の切符を握り島をでる治癒して戻らむコザクラのころ
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今日は口腔外科の診察がありました。抗がん剤治療は口の中がダメージを受けるので事前にケアしておく必要があるそうです。治療室の窓近くには辛夷の木がありました。毛に覆われた大きな花芽ですが、まだ春のスイッチは入っていないようで、固く閉じていました。

窓から見える札幌の街はまだ2月だというのに眩しい陽光が降り注いでいます。でも気温は意外と低いらしく、だまされてはいけないと看護師さんは言っていました。温室暮らしの患者に外気の冷たさはわかりませんが、光だけが一足早く春を告げているのでしょう。春はゆっくり来て欲しいと毎年思います。

写真は2月22日の豊平川です。



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# by somamin | 2017-02-28 15:55 | 短歌 写真 | Comments(0)

ご無沙汰しました

細胞の一つ一つに届けたき祈りのありてラジオ体操
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ブログの更新が途絶えてながくなりました。10月に肺に影が見つかり、1月に手術、これから薬物治療に入ります。今年はフィールドワークはどれくらいできるかわかりませんが、何かを作っていたいという気持ちはウズウズと私の中にあります。治療しながら生きていく、その中で感じたことを短歌にしていきたいと思います。今日からは携帯からのアップのため、今までと形が異なります。これからも今までと同様ご愛読いただけたら幸せです。
写真は札幌の夜明け。病院の窓から撮りました。


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# by somamin | 2017-02-27 16:47 | 短歌 写真 | Comments(4)

返り咲く

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昨日、久しぶりに礼文林道へ行きました。
北西の風が歩くのをためらわせるほど力を増していましたが、気温は案外高くコートを脱ぎました。
林を抜けると草原が開け、淡い紫の花が灯るように咲いていました。
チシマフウロです。この花は本来は6月の花です。
礼文島のチシマフウロは花付きが良く、お花畑を華やかに彩る重要な存在です。
10月の返り花は背丈が小さく、紅葉した葉に花をと付けていました。
他に花はなく、花粉を運んでくれる虫もいないので、実を結ぶことは難しいとおもわれます。
チシマフウロの返り咲きはそんなに珍しいことではなく、ほとんど毎年わずかですが見かけます。
他にミヤマキンポウゲ、エゾノハクサンイチゲ、キジムシロなどの春の花が返り花を付けます。
枯れ野にこれらを探すのが、晩秋の山歩きの楽しみでもあります。
か細く健気な営みに触れるたび、実を結ばなくても、きっと返り咲くには訳があるに違いないと想うのです。
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# by somamin | 2016-10-16 14:14 | 短歌 写真 | Comments(0)

一歩一歩よ

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 今年もどうも利尻山の頂まで登れそうもありません。「利尻に登れる体」をプライドにしたい私ですが、ここ数年足にトラブルを抱えています。今年の課題は外反母趾と捻挫。外反母趾は付き合い方を覚え、直ったわけではありませんが、トレッキング中に痛みを感じることはなくなりました。加えて今年の4月に左足首をひどくひねってしまいました。捻挫はなかなか治らず、テーピングを2ヶ月ほど続けました。歩かないと筋力が弱ってしまうので、適度の運動にも励みました。8月には礼文岳に登り、礼文島の西海岸8時間コースも歩き、これならもう大丈夫だろうと9月に入って利尻山に挑戦しました。それなのに、8合目長官山を目前にして、太股や脹ら脛に違和感を感じ、筋肉がつった感じになりました。少し休んで屈伸運動をしても、また痛くて進めなくなります。もうこれは足が登るなと言っているのだなと諦めて、無念の下山となりました。利尻山の山頂付近はスコリアと呼ばれる軽石のような土壌で崩れやすく、登山者が増加したこともあり、崩壊の速度を速めていました。近年行われた近自然工法などによる丁寧な補修工事のおかげで、とても登りやすくなったと聞いています。あの厳しい地形と気象の中での作業の苦労を思います。そんな努力によって山の崩れもだいぶ穏やかになっていると聞きます。 不可能と思われた登山道補修でしたが、成し遂げた人々の強い意志と技術、利尻山への愛に敬意を表して、私もこの足を鍛え直して、手当がされた登山道をこの目で見たい、もう一度頂に立ちたい。暖吉(柴犬)の散歩の時、神社の階段を今まで登るだけでしたが、2往復するのを日課にしようと思います。
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# by somamin | 2016-09-06 16:01 | 短歌 写真 | Comments(2)

露の中

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このところ蒸し暑い霧の日が続いています。
数日ぶりに桃岩展望台に行ってみると、草丈が伸びているのに驚きました。
エゾイブキトラノオのピンクの花穂が茶色にかわっていました。
エゾニュウやエゾノヨロイグサなどセリ科の大型の花も終わりに近づき茶色に変りつつあります。
代わって初々しい色を見せるのはツリガネニンジンの紫とトウゲブキの黄色。
秋の花のピークまであと数週間といったところです。
立ち枯れた春や夏の花の茶色を含みつつ展開する秋の花園は、また魅力的です。
でも今はまだ秋と夏の狭間の季節、夏の名残花を数えながら、咲き始めた秋の花を探して歩く。
圧倒的な群落の美しさはありませんが、色づき始めた葉、結んだ種、それらに色を差す秋の花弁たち、
それぞれの時を色に表して豊です。
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# by somamin | 2016-08-02 11:14 | 短歌 写真 | Comments(0)